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社会課題をユニークに解決するアイデアをシェアしたい、ドイツ留学しながら「海外フリーランス」 へ

トラべロコは、海外在住日本人(ロコ)が旅のお手伝いをしてくれるサービスになります。この記 事では、トラベロコが、タウンミートアップを開催していく先々で出会った日本人にインタビュー し、現地での事や海外に行くまでの経緯、現在の活動などをご紹介します。


今回、学生時代から社会問題への関心を持ち、日本で2年間働いた後ドイツへ留学し、映像や記 事を中心に多角的なアプローチで「社会をより良くしていくアイデア」をシェア、発信し続けてい るAkihiro Yasuiさんに詳しく話を聞いてきました。


Akihiro Yasuiさんプロフィール:1988年生 東京都練馬区出身。都内の大学を卒業後、東京で2年間 会社員を勤め、2015年よりドイツのキール大学に留学中。Sustainability専攻。2016年ドイツ緑の党 の財団Heinrich-Böll-Stiftungの奨学生に日本人で唯一選抜。ドイツのサスティナブルWebマガジン FUNKENZEITの映像&写真、インタビュアー担当。ベルリンの難民支援プロジェクトThe Hutto Projectに映像制作として参加。日英独のトライリンガル。


Blog:http://www.blog.akihiroyasui.com

Twitter:https://twitter.com/akihiroyasui_

Instagram:https://www.instagram.com/akihiro.yasui/ Youtube:https://www.youtube.com/channel/UClRL1-AR96vPDXE__KUNMzw



目次

1.就活を辞めて、東北に行った学生時代


2.ドイツに留学できるなんて、思っていなかった


3.気がついたら「海外在住フリーランス」になっていた


4.「社会問題 × ビジネス」欧州スタートアップ30社を取材


5.活動の本質は、「社会をより良くしていきたい」



1.就活を辞めて、東北に行った学生時代



|社会問題に対してユニークなビジネスモデルを行う企業の取材も精力的に行っていますが、学生時代からそういった関心は高かったのでしょうか?


高校生の時から、社会的マイノリティーの人々の境遇に興味がありました。初めは、目が不自由な人やホームレスの方々に関心を持ち、「もし自分がそうした生活を送ったら、」ということをよく考えていました。そのため、大学に入ってからはボランティア等の支援活動を通じて、当事者と直接関わるようになりました。また、ボランティア活動を通じて、日本社会における自殺率の問題や労働環境のことを真剣に考えるようになっていきました。


|そんな中、海外に興味を持ったキッカケはなんだったのでしょうか?

大学に入ってからバックパック旅行で何度かヨーロッパに訪れていたのですが、大きなキッカケは 2011年の東日本大震災です。ちょうど就職活動をしていた時期に起きたんですが、歴史的災害の様子は常に気にかけていました。


震災から一週間ほどたったある日、テレビを観ていると、宮城で被災した僕と同い年の大学生が「これから先どうされますか?」と取材を受けていて、「今は家も家族も失って、就職どころじゃないです。何も考えられません。」と話していました。 僕にとっては衝撃でした。たまたま僕が東京で生まれ育ち平和に暮らしている一方で、彼は宮城で生活していて一瞬で家も家族も失った。たまたま住んでいる場所が違うだけで人の人生がこんなに違っていいのかと、その時思ったんです。これは就活どころではないと思い、すぐに宮城の石巻 にボランティアで足を運ぶことにしました。


そしてその当時、ドイツとイタリアが将来的に原発に頼らないエネルギー政策を行っていく方針を打ち出していました。宮城でも、仕事を数ヶ月休んでボランティアに訪れるドイツ人やフランス人と多く出会い、国の政策や人も含めて、ドイツへの興味が湧き始めていました。そして震災のボラ ンティア後の2012年5月から2ヶ月間、ファームステイサイト、『WWOOF』を利用してドイツとイタリアの農家4件を訪れ、現地の色々な方からエネルギーや環境政策のことを聞いて回りました。


WWOOF有機農家で働き、報酬の代わりに食事と宿泊が提供される世界規模のサイト。

AkihiroさんがWWOOFを利用した際にまとめた記事は下記ブログより。

英語の上達に ファームステイ(WWOOF)を勧める 6つの理由



ドイツに留学できるなんて思っていなかった



|その後、2年間東京で就職されましたが、その理由はなんですか?


海外のNGOで働いたり日本の大学院で環境問題について深く学んだりしたい想いはありました。 ただ、日本では理系のジャンルになってしまい、社会科学(文系)の学士を取得していた僕は入るのが難しいと考え、元々関心があった日本の自殺率や労働環境を知るためにまずは日本社会の当事者になることを選びました。


日本の労働形態は、世界から見ても特殊と言われ、就職活動や長時間労働への問題意識もありました。ただ、それは実際に働いてみないと分からないと思い、あえて日本企業の特色が強い中小企業を選び就職をすることにしたんです。


|では、ドイツの大学に行く選択肢はいつ生まれたのでしょうか?

そもそも当時は、ドイツに留学できるなんて思っていなかったんです。そんな中、大きな転機をく れたのが、カウチサーフィンで僕の家に泊まりにきたドイツ人です。心のどこかでドイツへの興味 があったので、ドイツ語も勉強できたら良いなという軽い気持ちで、泊めていました。ある時、「ド イツでは『サステイナビリティ』という学問は、(日本でいう)文系にも理系にも用意されている から、Akiでも学べるチャンスがあると思うよ。」と教えてくれました。それがキッカケで、ドイ ツの留学について真剣に調べるようになり、ドイツの大学の授業料が無料であることやドイツ語 ができなくても英語だけで卒業できるコースの存在、東京より生活コストが低いことなどが分か り、社会人生活の2年間で貯金したお金でも行けると判断し、留学することにしたんです。


サスティナビリティ学:地球温暖化や大量生産などによる地球規模の喫緊の問題を解決すべく、持 続可能な地球社会へ向けて地球持続ビジョンを構築するための基礎として提唱されている超学的 な学術。 



気がついたら「海外在住フリーランス」になっていた



|はじめは、留学することが目的だったんですね

そうなんです。ドイツで働くことは想像もしていませんでした。ただ、仕事をやめてドイツ留学の準備をしている時、またたまたまカウチサーフィンで外国人を泊めたんです。その時出会ったアメ リカ人にカメラや撮影について多くを学ぶことができたのが、今の活動に繋がっています。


|カウチサーフィンで出会ったアメリカ人。面白いですね!


カウチサーフィンは昔から好きだったんですよね。色々な国の人から聞ける話はどれも刺激的で。この時出会ったアメリカ人は、スタントを仕事にしていて、世界各国で自分の動画を撮影してYouTubeに載せていました。彼はこの時日本に仕事を探しにきてて、ものすごく気が合ったので結局うちに3ヶ月も滞在していましたね(笑)。僕はカメラについて全く知識がなかったんですが、ドイツに行く前に新し いカメラが欲しかったので、頻繁にカメラ屋に行って、彼から一からカメラのことを教えてもらいました。



|元々カメラマンをされていたのかと思っていました。驚きです。


本当に全然知らない状態からのスタートでした。彼にカメラのことを教えてもらいながら、ドイツへ渡る2ヶ月前に新しいカメラを購入しました。そこから、日本の伝統工芸をされている作家さんの動画を撮り始めたんです。そしてドイツ留学し始めてからも、アーティストや作家さんの動 画や写真を撮る活動をほぼボランティアのような形でしていました。自分で作ったもので人に喜ん でもらえることが単純に楽しかったんです。


|それが仕事に転換するタイミングはいつですか?

今住んでいるキールの街で、社会問題に対しておもしろいビジネスアプローチをしているスタートアップや起業家を取材しているウェブマガジンがあって、偶然写真を撮る人を募集してたんです。 そこに、日本とドイツで撮っていた作品を送ったら採用されたのが最初です。




「社会問題 × ビジネス」欧州スタートアップ30社を取材



|では、現在行なっている活動について教えてください。


欧州で社会問題に対してユニークなビジネスモデルで挑む起業家を取材して、映像や記事にして発信しています。あと、日本の若い学生に対して「自分が高校生の時に知っておきたかった情報」を ブログやツイッター、Youtubeで発信しています。


|2018年3月にクラウドファンディングを実施されましたよね?


はい。ヨーロッパ各国で社会問題に対して、ユニークなビジネスモデルで行なっている会社を30社ほど取材しました。日本でもこうしたクリエイティヴでおもしろいビジネスが生まれるきっかけになれたらいいなと思います。(下記リンク)

https://camp-fire.jp/projects/view/63609




活動の本質は、「社会をより良くして行きたい」



|最近は、日本の情報も発信されていますよね。何か理由があるのでしょうか?


これからは欧州の情報を日本に発信するだけでなく、日本からも面白い人やプロジェクトを海外に発信していきたいと思っています。僕自身ドイツに来てから、初めて気がついた日本の素晴らしい活動がたくさんあります。例えば、九州や沖縄にもいい活動をされている有機栽培の農家さんがいることや、小規模なコミュニティーを作り再生可能エネルギーを進めている地域など。これらの情報は、海外にもシェアしていったらきっとおもしろいと考えています。今は一年のうち日本にい るのは2ヶ月ほどですが、今後は半分ずつくらいにして日本での活動も広げていくつもりです。


|様々な活動をされている、そのモチベーションはなんですか?


全ての行き先は、「サステイナビリティ」です。人間社会も含め地球全体がよりよくなったらいいと思っています。僕はYouTubeチャンネルで地産地消野菜の日本食レシピやエコ製品の紹介もしています。それら全ての活動はバラバラに見えて、サスティナビリティに通じています。「難民問題」や「食品廃棄の 問題」と聞くと、どちらかというとネガティブな印象を持つ人は多くいると思います。しかし、僕はそれらの問題に対して、様々な方向から多くの人たちと良いアイデアをシェアして楽しく改善していきたいと思っています。


|最後に、これからについて教えてください。


クラウドファンディングで告知していたウェブマガジン「Earthackers(アース・ハッカーズ)」を作っていて近日中に公開予定です。僕がインタビューと撮影をした社会問題にユニークなビジネス モデルで取り組む活動を映像と記事で紹介していきます。 また、「社会問題 × ビジネス」のアイデアをみんなでシェアして実践していけるような、オンラインコミュニティも作っていきたいと思っています。


|貴重なお話ありがとうございました! 応援しています!




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