「人と違うことをしたい」ミラノで飲食店の立ち上げに参画、たたき上げの若き料理長
トラべロコは、海外在住日本人(ロコ)が旅のお手伝いをしてくれるサービスになります。この記 事では、トラベロコが、タウンミートアップを開催していく先々で出会った日本人にインタビューし、現地での事や海外に行くまでの経緯、現在の活動などをご紹介します。
2018年現在、24歳の若さでイタリアのミラノで料理長としてレストランの立ち上げに関わった戸丸直貴さん。16歳で上京しバイトを4つ掛け持ちしていたこと、勉強のために銀座の街をひたすら歩いたことなど刺激的で参考になる内容ばかりでした。そんな彼がどのような経緯でイタリアに渡り、これから何をしていきたいのか、話を聞いて来ました。

戸丸 直貴 (とまる なおき)
中学生卒業式後、単身上京。一人暮らしで高校に通いながら、4つの飲食店を掛け持ちして学ぶ。16歳で上京後、寝る間も惜しんで、幾多の高級料理店を食べ歩く。各所で出会った数々の経営者から影響を受けて起業を志し、19歳で渡伊。2018年現在、ミラノにあるレスランKOJIの料理長を務める。夢は飲食店のオーナー。
目次
1.16歳で上京し、銀座の高級レストランを食べ歩いた
2.入り浸っていた東京のバーで、ミラノの道が拓かれる
3.5年の修行後、24歳で料理長として飲食店立ち上げ
4.将来はアフリカへ挑みたい
1.16歳で上京し、銀座の高級レストランを食べ歩いた

|19歳でイタリアに渡った戸丸さんですが、もともと海外に興味があった?
16歳で上京したのは、とにかく飲食とビジネスを学びたい気持ちが強かったからです。なので、高校は通信制を選び、4つのバイトを掛け持ちして死ぬほど働いていました。その過程で、多く経営者の方々と出会い、影響を受けたのがきっかけです。
|経営者の方々とはどこで出会うのでしょうか?
勉強するために、銀座や赤坂の高級レストランによく行ってました。そこには、ビジネスで成功されている経営者の方々が常連でいるんです。そういったお店に通いつめていると、徐々に話ができるようになっていきますよね。彼らの話を聞いていると、きまって海外に視野を向いていて、実際にグローバルにビジネスを展開しているんです。自分にとって東京で出会った経営者の方々は「こうなりたい」と強く思える存在だったので、必然と自分も海外に挑戦していこうと思うようになっていました。
|すごい話ですね。では、高校卒業して海外へ行くということですか?
そうなります。ただ、そんなに簡単ではなかったのが現実です。笑
2.入り浸っていた東京のバーで、ミラノの道が拓かれる

|そもそもなぜイタリアなんでしょうか?
イタリアは本当にご縁です。最初はアメリカで就職活動をしたんですが、結局失敗して日本に帰ってきました。そんな時に相談させていただいたのが、銀座で寿司屋を経営されている方でした。アメリカでうまく行かず、これからについて悩んでいた私に「じゃあイタリアはどうだ?」と言うことでミラノで飲食店を経営している人を紹介してくれたんです。
|良い関係性が見受けられますね。その方はどこでお知り合いになられたんですか?
入り浸っていたバーです。カウンター式なので、いろんな方とお話ができる空間でした。そのバーは通いつめていたお店の一つなので、常連だったその方と隣でよく話をさせていただいていました。ミラノへの道が拓かれたのはその方のおかげです。
|偶然ミラノになった、ということなんですね。
そうです。僕としては、国や都市にこだわりはありませんでした。とにかく海外にチャンスがあればすぐにでも行きたい気持ちだったので、即決でミラノで働くことになりました。
3.24歳で料理長として飲食店立ち上げに携わる

|そもそもですが、10代の頃から持っていた起業家精神の源泉はどこからきているのでしょうか?
不動産関連、飲食業の起業家であった父親の影響です。幼い頃から背中をみて育ってきたので、10代の頃から「人と違うことをしたい」と常に考えながら、人生を選択してきたつもりです。中学を卒業して1人で上京したことや、働きながら高校に通っていたこと、経営者に会うために夜な夜なバーに通っていたのもそういった考えが根本にあります。
|「人と違うことをする」モチベーションの中で自ら行動をし続けてきた結果、ミラノにたどり着いたんですね。
そうですね。悩み続けながらも行動し続けた結果、ここにいるという感じです。
|2017年10月、料理長として飲食店立ち上げに関わった戸丸さんですが、何がきっかけだったのでしょうか?
最初に働いていたミラノの飲食店の同僚のマネージャーがパートナーとして誘ってくれたのがきっかけです。私自身、将来的に海外で飲食事業を展開したいと考えているので、この年齢でミラノという異国の地で飲食店立ち上げを経験できるのは貴重だと思い、一緒にやることにしました。
|どんなお店ですか?
イタリア人に合わせた、日本食レストランです。普通の日本食というよりも、型を崩しながらオシャレに改良したメニューを出しているつもりです。お客様は基本的にイタリア人なので、江戸前の料理というよりも、味のクオリティを下げないように気をつけながらオシャレな料理を出しています。イタリア人はオシャレなものが好きなので、普通に日本の形で出しても通用しないことが多いです。比較的価格帯も高いので、落ち着いた雰囲気のお店です。
レストラン「KOJI」:https://www.kojimilano.it/
|メニューは料理長である戸丸さんが考案するんですか?
僕が考えたり、人から学んだりです。ただ、一から考えるというよりも、以前の職場で作っていたものなどを試行錯誤しながら提案していくという形が基本にあります。最初から自分でやるよりも、誰かから真似てそれを改善していく方が良いと考えています。
4.将来はアフリカへ挑みたい

|良い意味で計画的に行動していく印象があります。今後も何か考えていますか?
30歳までに、仕事をしながら大学と大学院で経営とITを学びたいと思っています。その後、海外で飲食事業を展開していきたいです。
|なぜITを学びたいんですか?
飲食店は慢性的な人手不足の問題があります。それに対して、IOTなどテクノロジーのアプローチを入れて解決していく時代になってきました。飲食事業を行う上で、人手不足の問題を解決するだけでなく、生産性を向上させるこの分野を学ぶことは必須だと考えています。
|なるほど、経営者としての視点ですね。
そうかもしれません。時代に合わせて学んでいきたいです。
|最後に、「海外で飲食事業を展開」とは具体的にどんなイメージはありますか?
アフリカでしたいです。インフラや人口増加の背景から、市場的な意味合いでアフリカはブルーオーシャンです。直感的にも、アジアやヨーロッパ、アメリカも飽和状態の中、アフリカはこれからの市場です。ケニアやザンビアに知人がいるので、少しずつ情報を集めて具体的に動けるように確実に準備をしていければと思っています。
|刺激的なお話ありがとうございました!応援しています。
こちらこそ、ありがとうございました。

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