世界基準で戦いたい、イタリア発祥のブランドを立ち上げた元サッカー選手の若手起業家
トラべロコは、海外在住日本人(ロコ)が旅のお手伝いをしてくれるサービスになります。この記事では、トラベロコが、タウンミートアップを開催していく先々で出会った日本人にインタビューし、現地での事や海外に行くまでの経緯、現在の活動などをご紹介します。
2018年現在、イタリアにてブランドを立ち上げた仲井康大さん。10代でサッカー選手としてイタリアへ渡った後、飲食店の立ち上げを経験。現在は自ら立ち上げたブランドを中心にイタリアで奮闘している彼の歩みを聞きました。

仲井康大
1996年5月8日生、大阪府出身。5歳からサッカーを始め、中学時代にガンバ大阪の下部チームへ入団。高校は大阪の育成名門校である興國高校へ進学。17歳で渡伊し、イタリアチームの契約を勝ち取る。ユースの全国制覇をするも20歳でフットサルに転向。セリエCで1年間プレーした後現役引退を決意。ローマのラーメン屋で店長をしながら自ら立ち上げたブランドを世界に広める為に日々を過ごす。
目次
1.高校在学中、サッカーでイタリアへ挑んだ
2.夢を経営者として叶えたい
3.「人と違う」物作り、ファッションブランドを立ち上げる
4.世界基準で活躍する日本人へ
1.高校在学中、サッカーでイタリアへ挑んだ

|そもそもイタリアへきた理由はなんですか?
日韓W杯でイタリア代表のデルピエロをみてファンになりました。その頃からイタリアへ行きたいという想いが芽生え、日本のユースクラブでサッカーをしていた中学1年生ごろから一人でイタリア語の勉強も始めていました。高校に進学してもイタリアへの想いは消えることはなく、3年生の途中でイタリアへサッカー留学へ行ったのが最初のきっかけです。
|それからずっとイタリアですか?
渡伊一年目で、ブルガリア一部やラティオ選抜にも選出されたましたが、プレー時間をより確保したいという想いもあり、6部から再スタートしサッカー選手としてのキャリアを歩んでいました。しかし、19歳のタイミングでトップチームに出たり出なかったりの状況が続いていたので、区切りをつけることにしたんです。
|サッカーを退くのが早いという意見はありませんでしたか?
サッカー選手の寿命は短いんですよね。ヨーロッパにきて様々な国の同世代の選手たちを見る中で、このレベルだったら今後は厳しいかもしれないと感じました。だから、違う手段で自分らしい人生を築いて行こうと方向性を変えたんです。僕をここまで成長させてくれたサッカーにはとても感謝していますが、僕にとっては夢を叶えるための手段の一つでしかありません。そのため、このタイミングで違う選択をすることにしたんです。
2.夢を経営者として叶えたい

|19歳でサッカーに区切りをつけて、次に何を始めようと思ったのでしょうか?
経営を学ぼうと思いました。昔からブランドを創っていくことに興味があったので、そのためにも社会に出て経営を学びながらにイタリアで実際に始めようと考えていました。リアルなビジネスは早く経験した方が良いと思っていたので、この決断は難しいものではありませんでした。年齢とキャリアが密接な関係であるサッカーをしてきたからこそできた決断かもしれません。
|すぐに自分で会社経営を始めたんですか?
いえ、全くの無知だったので、まずはしっかり働くことにしました。実は、サッカー留学の際に、先日トラベロコでも記事で紹介があった吉田あきらさんに現地でお世話になり、繋がりがありました。あきらさんにも相談して、2016年にローマでのラーメン屋の立ち上げから携わらせていただく機会を得てこの2年間働いてきました。
|海外で飲食店の立ち上げから関われるのは良い経験ですね。
そうですね。経営に関する様々なことを実体験として学ぶことができました。そしてこの2年間の経験を元に、自分のやりたかったブランドを立ち上げるに至りました。
3.「人と違う」アイデア、ブランドを立ち上げる

|現在行なっていることを具体的に教えてください
「人と違う」アイデアを具現化していくブランドを立ち上げました。このブランドを軸に様々な事業を展開していくつもりです。現在はブランド事業の一つとして、僕がデザインした、Made in Italyのアクセサリー販売などのファッション領域を中心に行っています。
|そのアクセサリーのコンセプトはなんですか?
ワインをコンセプトに今までに類を見ない遊び心溢れるMade in Italy をお客様の元へ届けたいと考え制作しました。仕事中でも腕につけられるアクセサリーです。ボトルとワインを元にデザインされていて、お酒を飲んだ時のようにポカポカした気分で仕事もしようというメッセージを込められています。
|具体的な質問ですが、生産ラインなどのツテはあったのでしょうか?
もちろん初めは何もなかったので、手探りから始めました。フィレンツェに物作りで有名な小さな街があり、下請け工場がたくさんあることは知っていたので、一つ一つ連絡をとって行きました。ただ、そう簡単にはいきません。待っていても一つも返信がなかったので、途中から飛び込みをするようになり、そこから繋がりが生まれ、結果的にナポリまで行き着いて生産ラインを整えることができました。
4.世界基準で活躍する日本人になる

|これから事業を広げて行く最中だと思いますが、長期的な目標があれば教えてください。
今、時間を割いているファッションの事業もあくまで通過点です。確実にブランド価値を最大化させていき、多角的にブランド事業を拡げていくつもりです。教育やファッションに加え、飲食などブランドを軸に事業をしていくつもりです。そして、このブランドを育てながら、ここまで自分を成長させてくれたサッカーにも事業を通じて恩返しをしたいと思っています。
|最後に何かメッセージがあればお願いします。
このブランド(MIGLÌ 美鯉 みり)を将来的にクリエイティブな会社にしたいと思っています。
現在はワインなどを中心に買い付けから搬送まで行っていますし、ラツィオのワイナリーとコラボをしてオリジナルワインなどを作るプロジェクトも始めました。何事もチャンスと思って物事にはポジティブに取り組んでいます。
何かアドバイスやイタリアを介す小さい仕事などでもありましたら御一報下さい。